就活保健室の日記

就活保健室に来たあとは、最初の一歩がふみだせる。 そしてはたらくことを考えること、実際にはたらくことが楽しい、元気になる。 そんな状態を目指しています。日々感じていること、若者と仕事に関する情報など。

発達障害の方はなぜ早期離職してしまうのか〜第4回発達障害学生就労支援研究会で学んだこと〜

就活保健室では、メンバーのスキル向上のため定期的にインプットをする機会を設けていますが、今日、第4回発達障害学生就労支援研究会(MESA)に参加してきました。

 
今回の講師は「発達障害の自分の育て方」著者 岩本友規さんで、テーマは「発達障害就労当事者が分析する早期離職の原因と対策」でした。
 
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お話のポイントは、以下の通り。
 
発達障害の方は、「働きたいけど長く働けない」という状況になることが多い。一般の方と違ってできないことがあるが、「活躍してほしい」「少しでも戦力に」という職場からのメッセージに仕事を頼まれると断れず、体調を崩してしまう。
 
そういう自分の特性を知って、キャパオーバーになってしまう前に、職場のしかるべき人にしかるべき方法で伝え、仕事量を調整してもらう。
 
雇用者は、毎週の面談を義務化し、現場と速やかな業務調整を行う。会社に慣れるまでは人事付にし、各部署を体験してもらうなど、発達障害の方に合わせた配慮を。
 
支援者は、多様なアフター5や居場所の提供などにより、職場以外でイキイキ過ごせるようにサポートを行う。それがポジティブなマインドに繋がり、職場でミスをしても割り切ってできるため、早期離職が防げる。
 
個人的に印象に残ったのは、岩本さんが実際使われている業務量の把握をするためのエクセルの表です。
 
週の残業時間がどのように変わっているのか、また毎日の仕事の中でどんな作業が多くてどれが想定より時間が多くかかってしまっているのか。こんな風に見える化すれば、職場での面談でもうまく伝えられそう!と目からウロコでした。
 
最後にされたダニのお話もよかったです。
 
ダニは、目がない。酪酸の匂い、動物の体温、触覚。それを頼りに血を吸って生きている。
 
同じ世界に生きていても、それぞれの生き物が違う感覚で世界を感じている。
 
では、発達障害者の世界は?アスペルガーは神経過敏など言われるが、このカテゴリーの人はこうだ、と決めつけるのではなく、どんな世界を生きているんだろう、という想像力が大切。じゃ、その人が普通の人の中で働くにはどういう支援が必要か考えるのがいいと思う。
 
また、多様性を支援するコミュニケーション社会の実現。障害者やLGBTダイバーシティなど言われていますが、特定のカテゴリーではなくて全体としてできた方がいい、というお話もありました。
 
私も常日頃から、○○だから○○という決めつけには違和感を感じてていたので、強く共感しました!!
 
目の前の方がどんな世界で生きているのか?誰もが誰もに対して、想像力を持てるような社会を目指し、こらからも活動をしていきたいと思います。